今年の矯正症例

患者さんは25歳女性。数か月前、左側の顎関節が痛い、大きく口が開けられないと言って来院した。

その時は、投薬をしただけだったが、一応、「顎関節症をコントロールするためにも、歯並びを治したほうがよい」とアドバイスした。

歯並びが悪いと、かみ合わせが不安定になる。そのことが原因で、顎関節症になる例を日ごろからたくさんみてきている。その度ごとに、「歯並びをなおしては」と言ってはいるのだが、本当になおして欲しいと言ってきたのは、長い歯医者人生で、この患者さんが初めてだった。

術者としてはうれしい。正しいと思うことは言ってみるもんだなと思った。とかく、お金がかかる治療は、敬遠されてしまう。容貌のなかで、歯並びがしめる割合は決して小さくない。中流のアメリカ人のほとんどが治療する事実は、「アピールできてなんぼ」という国民性を示していると思えてならない。

この患者さんは、左側が全くかみ合っていない。噛めるところを探しながら噛んでいるといった状態だった。それでは、筋肉は疲労し、関節の動きも乱れてくる。

驚いたことに、この方は、舌側矯正を選んだ。

治療途中の写真です。

はっきり言って、舌側矯正は面倒くさい。

*装置が着けられない場合が多い。噛んだ時に下の歯が、装置にぶつかるためだ。そういう場合は、{かみ合わせを上げる}という難易度の高いテクニックが必要になる。

*ワイヤーを自由に曲げられない。ワイヤーを曲げられるスペースがないためだ。

*治療も終盤になってくると、歯の微妙な位置移動が重要になってくる。それが、唇側矯正に比べると難しい。

*一回の治療時間が長い。

*従って、治療期間も長くなりがちだし、治療費も高くなる。

悪いところだらけのように思える。それよりもなお、人から装置が見えないということが絶対必要な条件なのだろう。

終了後の写真を見てください。

 

 

治療期間は14か月かかった。抜歯はしていません。

患者さんは、「写真うつりが良くなった」と言ってくれました。唇の過緊張がとれ、きれいな歯並びが光っているからだろう。それはなによりだと思います。

かみ合わせは、マニュピュレーションを含め、十分行ないました。

 

 

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