残すか、残らないのか(1)

Aさんは4年前、他の歯医者さんで、よく目立つ上の前歯をきれいにしたいと思い、思い切って、前歯4本をきれいなメタルボンドで治した。その際、「根の治療」も再治療したので当分大丈夫だろうと思っていた。

その後、しばらくすると真ん中から左へ一番目の歯(上顎左中切歯)が、下の歯とぶつかると違和感を感じるようになった。痛いというほどではないが、痛くなりそうな一歩手前のような痛さを感じた。

不安になったAさんは治療した先生に相談した。先生は、Aさんが夜寝ている時に、はぎしりをして、その歯が強くあたるためだとして、マウスピースを作ってくれた。指示された通り、夜はマウスピースをつけて寝ていたところ、違和感はあまり感じなくなった。

ところが一か月前くらいに、かなり痛くなった。痛くて下の歯とかみ合わせられない。本当に痛い。しかし正月で時期が悪い。我慢する以外ないと思い我慢した。

雑事に追われ、痛みを我慢していると、日が経つにつれ、だんだん痛みはなくなってきた。これはありがたい。しかし完全にないわけではない。また、不安になってきた。

心配になり、当院に来院した。来院したのは、痛みが出てから、すでに1か月が過ぎていた。

まず写真を見てみよう。

きれいなメタルボンドが入っている。矢印のある歯が問題の歯です。歯肉粘膜に特別に腫れている様子はない。

次にレントゲン写真を見てみよう。
矢印のある歯の根の先端はくっきりはっきりではないが、根尖病巣があるにはあるが、大きなものではない。レントゲンを見る限るそれほどたいしたことはないように思える。

カテゴリー: 歯科難症例 タグ: パーマリンク