早く終わって矯正(1)

私のクリニックの矯正治療は、大人の方が多い。

子供の矯正治療と大人の矯正治療とではどこが違うのだろうか?

①子供の矯正治療の多くは、成長と発育のステージにあわせて、治療を行っていきます。当たり前のことですが、子供だけが、乳歯から永久歯に変わり、顎が大きくなっていきます。ですから、歯並びを治すためにはこの成長を利用したり、抑制したりしながら治療計画を立てていくということになります。大人の矯正治療には、もう成長はありません。従って、現在の永久歯歯列と顎が原点となり治療計画が立てられます。

②治療目標が違います。子供の矯正治療の目標は、できるだけ?理想的と思える歯列が治療目標になります。大人の場合、部分的な歯並びの修正であれ、全顎にわたる矯正治療であれ見 栄えの改善という審美的要素が最も重要視されます。

③患者さんの治療に対する意識が違います。子供の場合は自分の意志というよりは、親御 さんの意向といった場合が多く、そのため簡単に予約をすっぽかしがちです。塾があるから、クラブ?があるから、体育祭があるから、何とかの発表会といった具合に、治療に慣れるに 従って、子供さんの矯正治療の優先順位はどんどん下がっていくように思えます。大人の場合来院しなけば治療が遅れることは認識しているので、予約がキャンセルされることはまれです。逆に、治療に対する要望やコメントは多くなります。

④大人の矯正治療の場合、すでに深いむし歯になっていたり、冠がはいって?いたり、??歯?がなかったり、歯槽膿漏にかかっていたりと矯正専門医では容易に解決できない問題が多くあります。当然他科の先生の治療が必要となり、矯正医との連関なども含め自然と時間的ロスが多くなり、治療期間が長くなりがちです。

Aさんは20才の学生。できるだけ早く治してほしいという要望でした。症例としては、それ程乱れているというほどではないので、患者さんとしては、当然きれいに治ると思うわけで、興味はできるだけ早く終わりたいということになります。

どのくらいの期間で治療が終了(ブラケットなどの矯正装置をはずす時まで)したら患者さんは満足なのでしょうか?

私どものクリニックでは1年を超えることはほとんどありません

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