インプラントは何年もつの?

インプラントはいったい何年持つのでしょうか?

勇気を出し、やっとの思いでインプラントをいれたのなら、「何年持つのだろうか」は、ごく自然に湧き起ってくる、切実にも近い思いだと思います。

小岩から来院されたCさんの、レントゲン写真をご覧ください。

のインプラントは私が新小岩で開業していた頃、つまり22年前に施術したインプラントです。しるしのないインプラントは9年前に施術したものです。

22年前のインプラントはスイス製のITIインプラントといいます。

当時の日本のインプラント事情と言いますと、非常に高価なブロンネマルクがごく一部の先生によっておこなわれていました。スイスからITIインプラントが大々的に発売されるようになると、その論理的な概念や体系的な術式が大変うけ、今までの京セラのサファイアインプラントを席捲するようになり、日本のインプラントの基礎がしだいに作られてきたように思います。興味深いことに、この担い手は、大学の先生方ではなく、意欲あふれる開業医の先生方でした。大学でインプラント科ができるのは、ずーと後のことです。

Cさんのインプラントは、私が開業して、3年ほどたった頃と思います。Cさんの勇気ある決断があってこそ施術できました。勿論この当時のCさんは、☆のインプラントを入れるだけで十分であり、インプラントの前方には、Cさん自身の歯がちゃんとありました。

それが、年月のなかで壊れていき、ついには今から9年前、大々的に別のインプランオで置き換え(即時インプラント)、上下顎にわたる全体の治療をおこなうことになりました。その際、☆のインプラントは、全くしっかりしており、ごく普通に、歯と同じように扱うことができました。

Cさんのインプラントが長持ちしている理由を考えてみますと、

①9年前から、ほぼ毎月、当クリニックが推奨している「マウスクリーンコンフォート」を受けにいらっしゃっています。残っている歯もインプラントも同等に徹底的にクリーンにし、問題がないかチェックしています。インプラントはその後のケアーが最も重要です。

②問題が生じたた時、たいていは歯が破折することが多かったのですが、Cさんは私の処置方法に賛同し、はやめに治療してくれました。

リコールあるいは定期健診というのは、患者さんの心理からすれば、「問題がありません」を期待しているのかもしれません。しかし本当の目的は、問題点を探すことにあります。残念なことに、問題点を指摘すると、いろいろな理由をあげ、治療を嫌がったり、後回しにしたりする方がいらっしゃいます。ここが肝心なところで、問題点が小さなうちに潰しておくことが長期安定には必須なのです。

 

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