Life with dog ルイ

親戚のWさんから、軽井沢に誘われた。Wさんは、私に見せたい土地があるのだが見てくれないかということだ。軽井沢と聞いて、ルイも一緒に連れて行っていいかと聞くと、快く承諾してくれたので、私は運転をかってでることにした。10月初めの頃だ。最近は、秋とは言え本当に暑いくらいだが、この日もよく晴れて暑かったが、そよ風が心地よく過ごしやすい日であった。

ルイにとって、初めての遠出である。はじめのうちは、緊張して、そわそわしていたが、1時間も車にのっていると次第に慣れて、シートにうずくまっていた。カーブが多いので吐くのではないかと心配したが、大丈夫であった。

Wさんの土地は中軽井沢にあった。二十数年前に分譲地を購入したそうである。Wさんの娘さんがまだ幼稚園の頃だという。家がまだ建っていないのはWさんの所だけになってしまったそうだ。それほど立派な家々が建っているわけではないが、丘陵地になっており、浅間山の雄姿が西空の遠景を作っていた。この眺望と、緑とゆったりとした環境は確かにおいしい休日のデザートであろう。

ルイは、この地がとても気に入ったようだ。リードをはずすと、今まで見たこともない顔でチョコチョコと走り回っている。笑っているのだ。本当にうれしいのだろう。都会のコンクリートの道にはない、自然の草のにおいがたまらないのかもしれない。こんなに喜んでくれるのなら、ちょいちょい軽井沢に来てみたいものだ。

「はやく、家を建ててくださいヨ」と言うと、Wさんは、「景気が悪いのでちょと無理」と力なく答えてくれた。昔のような勢いはもう感じられない。しかし、Wさんのことだから、最後の頑張りできっと、自分の夢をはたすだろう。

私はじぶんちの犬がこよなく好きだ。後ろ足で立ち、うなり声をあげて、とびかかってきても、全然腹は立たない。あたりかまわず私のボヂィを少しかんでも、最後はベロベロと手をなめてくる。オスのプライドをかけて、ちょっと自己主張したけどパパが好きと表現しているのだと、私は勝手に解釈している。

ルイはスタンダードプードルという犬種だ。頭が良いと私は思っている。待ても伏せも、止まれも難なく憶えてくれた。待てをかけ、こいと呼び、走り出した途中で、まてをかけても、ちゃんと反応する。しかし、先読みがわざわいして、このようなことを2回続けると、三回目はこいと呼んでも、どうせ途中で止まるんでしょうといわんばかりに、勢いよく走ってこない。要するに、自分のためにしか、頭の良さを使わないのだ。

散歩の時、5秒に1度は、私の顔を見てくれる。私は10秒に1度は見ないわけにはいかない。

 

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