自費の根管治療て何?

ご自分の歯を長持ちさせるには、歯周病のコントロールと、歯の根の根管治療(専門的には歯内治療といいます)の質が最も重要だと思います。なぜなら、歯を抜かなければならない理由のほとんどが、歯周病と、根の病気だからです。

歯周病への関心や予防は、テレビCMのおかげで広く認知されるようになり、ややオーバーな言い方ですが、ふだんのケアーと定期健診でOKと言えるかもしれません。

しかし根管治療は、歯科医師の治療技術そのものであり、どんな医科の名医といえども、踏み込めない歯科医師の独壇場なのです。患者さんの努力でどうなるものでもなく、患者さんが出来ることはせいぜい歯科医師を選択するぐらいのものです。

ではなぜ、その領域に、保険と自費があるのでしょうか?

それは、「自分の歯でながくすごしたい」という強い思いを持つ患者さん、自己防衛的な患者さんが多くなってきたということでしょう。このムーブメントは治療費の高いアメリカの富裕層のなかでおきました。そうしたニーズに呼応するように、歯科医の意識も変わり、新しい器械や材料が生まれ、技術が錬成されてきました。要するに、治療精度があがってきたのです。

保険制度の治療というのは、標準的な治療を経済的に保証する制度です。ですから、治療精度を上げようといった治療技術とでは、経済的に相容れないということです。

もっと実態に則して申し上げれば、保険治療における、根の治療の点数は低く、昔から軽視されてきました。冠や入れ歯などの治療には、2年間の管理が義務付けられていますが、いまだに、根の治療に関しては、治療の質を担保させる考え方は保険治療のなかにはありません。しかしながら、昔も現在も良識ある先生は、根の治療に精力を費やしてきたのですが、限界になってきました。

治療費はいくらがいいのか?

HPをのぞくと大臼歯で10万だの15万と書いてあります。先生方によって、治療形態もさまざまでしょうし、治療にたいする考え方も、人生観も違いますから、治療費もいろいろあって良いと思います。

私個人は、できるだけ多くの患者さんに、高品位な根管治療を受けていただきたいと思っております。どんなに意味のある治療でも、あまりに高額では、広く認知されません。そこで、当クリニックでは、大臼歯でも5万円としております。そのぐらいであれば、選択できる方も多くいるのではないかと思います。

自費の根管治療というからには、治療者に求められる条件は何でしょう?

採算の悪い保険の根管治療と愚痴をいわないで、根管治療をひたむきにやってきたという臨床経験が5年以上は必要でしょう。そうすれば、曲がっている根管も、根管内にある異物も取った経験もあり、一通り知識と経験を持つことができると思います。

第二に、現在、最も信頼できる器械や材料を使って、実際の治療を行っている。

例えば、実体顕微鏡やCT、優れた根充剤などでしょうか。ラバーダムは当然のことでしょう。そのなかでも私は、CTと根充剤が重要と考えています。

そして、何といっても、治療成績がいいことが重要でしょう。私見ですが、5年で90数%といったところではないかと思います。

できるだけ多くの方々にご理解いただき、治療をうけていただければと熱望してやみません。

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