線維腫をとってください

「あのー、ホームページで見たのですが、そちらでは線維腫をとってくれますか?」と女性の不安気な声が受話器からきこえてきた。「はい、おとりしておりますが。どういたしました。」余裕のある、落ち着いた当院の受付が答えた。
Aさんは松戸在住の方で、近くの歯医者さんで、舌にできた線維腫と診断された。当然とった方が良いとすすめられた。Aさんは大変な歯科恐怖症。大学病院にいくのは精神的にまいってしまう。そこで待っているだけで顔面蒼白になり倒れてしまいかねない。見かねたAさんの御主人はネットで、開業医で、線維腫の取れるところはないかと3日間調べたところ、私のクリニックにぶつかったということだ。自慢ではないが、私のHPなど、どう検索しても一ページ目にのることなどありえない。確かにHPには、線維腫の切除例をのせてはいるが、げに恐ろしきかなインターネットである。


線維腫というよりはむしろ乳頭腫を疑われる症例のように思えた。線維腫というのは、コラーゲン線維と線維芽細胞によってできているもので、一方乳頭腫というのは、上皮の細胞(重層扁平上皮)からできている。いずれも、刺激や炎症があり、その修復の過程でできたものだ。

 

Aさんにまず痛くない、10秒程度で終わると確約して、腫瘍に表面麻酔をし、半導体レザーメスで切除した。

本当に全く痛くなく、出血もしなかった。半導体レザーメスは実にすばらしい。まだ広まってはいないが。

切除した腫瘍はホルマリンが入っている小さな容器に入れ、病理組織に出した。

 

やはり診断は乳頭腫(papilloma)であった。

 

 

 

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